近年、リストラという言葉が大きく世間に広まり、多くの人が恐れる存在になっています。
(懲戒)解雇をされたら人生終了という言葉をよく聞きますが、本当に終わるのでしょうか?
その理由について、収入面、仕事面、生きがい面の3つの観点から考察していきます。
結論から言うと、答えは「NO」です。
人生は終了しません。
本記事では解雇をされたら何故人生終了と言われているのかを詳しく解説します。
懲戒解雇されたらなぜ人生終了なのか
懲戒解雇されたら何故人生終了と言われているのか?それは大きく分けて3つの要因があります。
- 収入
- 仕事
- 人生の価値
この3つは生きていく上で生活に大きく影響を及ぼします。
仕事が無くなる→収入が無くなる→生活が激変→生活レベルが下がる→周りからボロクソ言われる→生きてる意味を見出せなくなる
みたいな流れで人生転落してしまうのが簡単に想像できます。
ひとつずつ説明していきます。
無職になり収入がゼロになる
クビになることが決まると、その瞬間から収入が途絶えることは確実になります。
いきなり無収入になるタイミングが必ずきます。
再就職が難しいとされる懲戒解雇者にとっては、生活費の捻出が困難になり、経済的に苦境に立たされることが一つの理由です。
「あなたをリストラします」と肩を叩かれた方にとってかなりキツい状況になりますので「自分は大丈夫」と思わない方が良いです。
貯金が無い人にとってはかなり厳しい現実が待ち受けていることだと思います。
再就職ができないと言われる
やらかしてクビになった場合、その経緯が次の雇用者に知られる可能性が高いため、再就職が難しくなります。
なぜなら、面接での会話や再就職時に必要な書類で解雇がバレてしまう可能性が高いからです。
また、専門職やキャリアに関連する仕事の場合、懲戒解雇が専門性や評価に大きな影響を与えるため、同じ分野での再就職がほぼ不可能となります。
仕事が見つからないことで、自己評価が低下し、自信喪失に陥ることがあります。
世間的には再就職ができないと言われてるので、その言葉を鵜呑みにしてしまって「再就職できないから人生終わったわ」って思ってしまうんですよね。
人生の価値はクビになる前もクビになった後も変わりませんよ。人生はまだ終わっていませんから!
自分の人生に価値を見出せなくなる
仕事は、多くの人にとって生き甲斐の一部であり、自己実現の手段となっています。
- 仕事が楽しい
- 仕事が生き甲斐になっている
- 家にいるより仕事している方が活気を帯びてる
この「人の生き甲斐」が懲戒解雇によって仕事が奪われた場合に突然お先真っ暗になり見失ってしまいます。
そして、人生に対する前向きな姿勢が損なわれることがあります。
さらに、懲戒解雇の理由が社会的な信用を失うようなものである場合、友人や家族からの信頼も失いかねないため、孤立感や疎外感が生じることがあります。
そしたらどうでしょう?生きる意味を見失うのも理解できます。
人生が詰んだわけではないのに自分を責めて自分の価値を見失いかけてしまいますよ。
解雇されても人生は終わらない
クビになってしまって無職になっても人生が終わりだなんてことはなくて、むしろ開かれてると考えることもできます。
解雇されても人生が終わらない理由は、まず自分自身を見つめ直し、次にスキルや経験を活かして新たなキャリアパスを見つけることができるからです。
また、周囲の支援を受けながら、前向きな心構えで立ち直り、成長することが可能です。
逆境を乗り越え、自分を磨けば新しいチャンスが必ず訪れます。
再就職を果たした筆者の現在【体験談】
クビになった後に再就職を果たしました。
そして現在の僕は「ごく普通の会社員」です。
クビになってから再就職が決まる2ヶ月間は経済的に不安定で、仕事も早く見つけたい訳の分からない焦りに日々悩まされていました。
しかし再就職を決めて働き始めたらすぐにとは言いませんが人生の軌道が元に戻り始めたのです。
「諦めなくて良かった」
こんな思いが職場に向かう車の中で駆け巡り、時に青信号なのにうっかり発進しないほどに雇用者への感謝の気持ちが溢れてます。
補足ですが、解雇前は残業が月平均50時間程ありましたが現在は0時間になり仕事で疲弊していた過去の自分のような状態にもなりません。
人生諦めたら本当にその時点で人生終了してしまいますからね…自分はできるんだ!と強気になってしまって構いませんからね。
不当な懲戒解雇は無効となる
日本は解雇規制が外国より厳しく容易に解雇ができません。
- 解雇に至る正当な理由が必要
- 解雇予告や、即日解雇であれば可能にするための手続きが必要である
- 不当解雇となる判例が沢山存在する
日常生活で解雇のニュースをあまり見ないのは解雇規制の厳しさがあるためです。
そんな日本で不当解雇と判決された事例を紹介します。もしあなたが解雇されたなら、それは正当なものなのかを考えてみてください。
【事例1】SNS投稿による懲戒解雇
ある企業の従業員が、会社に関する不満をSNSに投稿したことを理由に懲戒解雇されました。
しかし、裁判所は投稿内容が業務上の秘密に当たらず、また、会社の名誉を傷つける内容でもないと判断。
従業員の表現の自由を認め、解雇が不当であると判決しました。
【事例2】労働組合活動による懲戒解雇
労働組合の活動に参加していた従業員が、その活動が会社に不利益を与えたとされ、懲戒解雇されました。
しかし、裁判所は「労働組合活動は基本的人権の一部であり、解雇理由としては不当である」と判断。解雇は無効であるとしました。
【事例3】セクシュアルハラスメントによる懲戒解雇
ある従業員が、セクシュアルハラスメントを理由に懲戒解雇されました。
しかし、裁判所は被害者との関係や状況を詳細に調査した結果、「セクシュアルハラスメントが証明できず、解雇理由が不当である」と判断。
従業員の解雇を取り消しました。
【事例4】クレーム対応の件での不当解雇
ある企業で、従業員が顧客からのクレーム対応を行っていた際、上司と意見が対立し、対応方法をめぐるトラブルが発生しました。
結果として従業員が解雇されましたが、裁判所は「解雇理由が不十分であり、従業員に十分な改善の機会が与えられなかった」として、解雇を不当と判断しました。
【事例5】妊娠による不当解雇
ある女性従業員が妊娠を会社に報告した後、突然解雇されました。
会社は業績悪化を理由に解雇を行ったと主張しましたが、裁判所は「妊娠を理由に解雇されたとみなすべきだ」と判断。
解雇は無効であり、会社に復職を命じました。
【事例6】過労死寸前の従業員への不当解雇
過労が原因で精神的に不安定になったある従業員が、会社に労働環境の改善を求めました。
しかし、会社は従業員の訴えを無視し、解雇を通告。
裁判所は「過労による健康被害を考慮せず、改善の機会を与えないまま解雇したことは不当」と判断しました。
まとめ
解雇されたら人生終了なのは間違いです。
あなたの気持ちと行動次第なのは僕の体験談から言えます。
解雇されて絶望の真っ暗闇の中に居るとしても、暗闇に目が次第に慣れていき、手探りではありますが出口に辿り着くためのヒントに触れることができます。
何も見えないのは今だけです。
人生終了なんて言葉を鵜呑みにせずに再就職への行動を起こしてください。