介護派遣の単発はできない?就労条件やメリット、デメリットを解説

本記事は筆者の体験や知人から聞いた話で構成されています。あなたの周辺環境や働き方によっては参考にならない場合があります。ご了承ください。

2018年某日、僕は介護職をしていました。ある日、「本業とは別に派遣介護員として継続的に案件をこなしたい」と考えるようになっておりその思いが次第に強くなっていきました。

理由は次の通りです。

  • 外の世界を見てもっと経験を積みたい
  • 将来の自分のキャリア形成に何かヒントを得るために派遣として様々な職場に行きたい

しかし、多くの介護士(看護師なども含む)は、夜勤を含むシフト制の職場で働いていて定休日が設けられていないため、休みの日にスキルアップや+αで経験を積もうとして何かに挑戦しようと思っても時間の融通が効かないため、何をすべきかわからず困惑を感じることが多いです。

筆者はそんな人のうちの1人でして、そんな中でインターネットサーフィンをしていると「介護の単発派遣」が存在するのを知りました。しかも派遣社員だと時給が高いという事実を発見しました。

しかし、この単発派遣には就業するために満たさなければならないいくつかの条件があります。

本記事では、単発派遣を選択するために必要な条件、そのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

目次

派遣の単発仕事は原則として禁止

2012年に行われた労働派遣法の改正により、単発・スポット派遣といった短期間の労働契約は基本的に禁止されています。

これは介護業界でも同様で、30日以内の単発・スポット勤務は原則として許可されていません。

しかし、特定の条件を満たした場合に限り、30日以内の短期労働契約が認められています。その条件は次の通りです。

  • 60歳以上の方
  • 雇用保険の対象となっていない学生
  • 本業による年収が500万円以上の方
  • 主な生計を担当していなくて、家庭の年収が500万円以上の方

これらの条件を満たす者は、労働派遣法の規定により、短期の労働契約を結ぶことが可能です。

ではなぜ単発介護派遣が存在するのか?

しかし、上記で説明した労働派遣法の規定には例外があります。

それは、契約期間が31日以上の場合です。

つまり、31日以上の契約であれば、法的には誰でも労働することが可能となります。

実際には、労働契約の期間が31日以上であっても、1日から数日だけ働きたいというニーズに応えるための仕組みが存在します。

その場合、労働者と派遣会社は31日以上の契約を結びつつ、実際に働く日数は契約者の希望に応じて1日から数日とすることができます。

この方法により、労働者は自分のライフスタイルやニーズに合わせて、短期間だけ働くことが可能となります。

ここまでで単発案件が存在できる仕組みが分かりましたね。筆者は固定の就業先と合わせて単発派遣を月数回のペースでしていた時期がありました。

介護の単発の派遣として働くメリット

単発派遣には多くのメリットがありますが、それぞれの個々の生活状況や単発派遣で求めるものにより、最適な働き方は異なります。

そのため、自分自身のライフスタイル、キャリア目標、スキルセットを考慮に入れて、自分にとって最適な働き方をすることが重要です。

それでは、筆者の体験を基にメリットを挙げていきます。

僕が介護職の単発派遣をしていたため、メリットの効果を感じた部分は介護職を前提とした表現方法になる事を予めお伝えしておきます。

スキルアップの機会

さまざまな施設の環境で働くことで、介護技術やコミュニケーション能力など、幅広いスキルを磨くことができます。

自己探求のチャンス

短期間で多くの職場環境を経験することで、自分がどのような環境や職種に適しているかを理解する機会になります。

個人的なネットワーキング拡大の機会

たくさんの人々や組織と接することで、将来的な雇用の可能性やキャリアの道を広げる新たなつながりを作ることができます。

リスクの軽減

長期の雇用契約を結ぶリスクを避けつつ、自分の能力や興味に応じて仕事を選ぶことができます。

時給の高い求人が多い

単発・スポット派遣の求人では、通常の雇用形態に比べて時給が高めに設定されていることがよくあります。これは、雇用主が特定のタスクや短期間のプロジェクトを迅速に完了するために、高い報酬を提供することで人材を引きつけるためです。

自分の好きなタイミングで勤務できる

単発・スポット派遣では、労働者が自分の都合に合わせて仕事を選ぶことが可能です。これにより、他の生活の要求とのバランスを保つことが可能になります。

人間関係の煩わしさに悩む必要がない

短期間の仕事では、長期的な職場の人間関係に巻き込まれることが少なくてその結果ストレスが軽減されます。

いろいろな経験を積める

単発・スポット派遣では、さまざまな職場や環境で働くことが可能です。これにより、様々な経験を積むことができ、それが自分のスキルセットや知識を広げる手助けになります。

ほかの仕事と掛け持ちできる

単発・スポット派遣は、他の仕事や活動と並行して行うことが可能です。これにより、収入を増やす機会を得ることができます。

プライベートを優先できる

単発・スポット派遣はフレキシブルなスケジュールを提供するため、プライベートな時間を優先することが可能です。これにより、家庭や趣味、教育など、仕事以外の重要な生活の側面に時間を割くことができます。

単発の介護派遣として働くデメリット

単発派遣にメリットがあれば、同様にデメリットも存在します。

単発・スポット派遣の形態に特有のものです。

したがって、デメリットの要素を考慮して、単発派遣に求めるものや周辺状況を加味した最適な働き方を考え実践することが重要です。

それでは、筆者の体験を基にデメリットを挙げていきます。

介護士としての経験や知識が求められる

単発・スポット派遣では、派遣先で即戦力となるレベルの仕事をこなすことが求められます。そのため、すでに介護の経験や知識を持っていることが期待されます。

他の就業形態と比べて求人数が少ない

単発・スポット派遣の求人は、通常の雇用形態に比べて数が少ない可能性があります。これは、雇用者が長期的な雇用関係を好む傾向があるためです。

やりがいを感じられない

単発・スポット派遣では、短期間の勤務となるため、その仕事に対してやりがいを感じるのが難しい場合があります。特に、仕事を通じて長期的な成果を上げたいと考えている人にとっては、この点がかなりデメリットとなり得ます。

1度就業日が決まったら休みを取りづらい

単発・スポット派遣では、一度勤務日が決まると、その日を休むことが難しい場合があります。これは、雇用者がその日の仕事を完了させるために労働者を必要としているからです。

職場の人間関係を構築しづらい

単発・スポット派遣では、短期間の勤務となるため、職場での人間関係を深く構築することが難しい場合があります。これは、特に社会的なつながりを重視する人にとってはデメリットとなります。

即戦力として迎え入れられるため負担が大きい場合もある

単発・スポット派遣では、労働者がすぐに仕事を開始しすぐに結果を出すことが期待されます。新しい環境に適応するのに時間がかかる人にとっては、大きな負担となります。

まとまった収入が得られない

単発・スポット派遣では、労働時間や契約日数が不確定なため、安定した収入を得ることが難しい場合があります。これは特に、生計を立てるために一定の収入が必要な人にとっては大きな問題となります。

仕事の不確実性

単発・スポット派遣の仕事は人材不足の課題が解説するか、会社のニーズが変化すると終了する可能性が高くあります。そのため、仕事の安定性が低く、未来の仕事の保証がない場合があります。

単発の介護派遣に向いている人

高時給で働きたい人

介護派遣はパートタイムに比べて時給が高い傾向にあります。介護業界では人手不足が慢性的な問題であるため、一時的に人手を補える派遣社員は貴重な存在となります。正社員で介護施設で働く場合、月に数回の夜勤は必須になることが多いですが、介護派遣なら「夜勤はできないけど稼ぎたい」という希望も叶えられます

プライベートの時間を確保したい人

単発案件には4時間〜8時間など勤務時間の幅が様々です。「6時間だけ働く」「午後から働く」など、勤務時間や日数を自分の希望にに合わせて仕事を選べるためプライベートの時間を確保しやすくなります

ダブルワークをしたい人

昼間に本業があるので、休日や空いている時間に副業として働きたいといった場合も介護派遣なら可能です

いろいろな職場で経験を積みたい

自分の価値観、感覚に一致する職場があれば2回目3回目と回数を重ねていく一方で、自分に合わない職場には行かないで新しい職場を探すという働き方が一般的で、短期間でさまざまな職場を経験できます。これは介護スキルの向上や自分の向き不向きを把握、再認識するのに役立ちます。

無資格・未経験でも働きたい人

介護派遣の求人には、無資格・未経験でも働けるものもあります。即戦力になる人材を求めている施設や事業所が多いですが、資格取得の支援をしている派遣会社もあるため、働きながら資格を取得することも可能です

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