退職の決意を固め上司に退職をしたい旨を伝えると会社からの引き止めが始まってしまう場合があります。
僕は転職を4回していますが、4回全て引き止め行為を受けました。
そして引き止め方として待遇の改善から、心への訴え、時には強引な引き止めまで、その手段は多岐にわたり、しつこくあなたにアプローチをしてくることもあります。。
あなたが退職を決意した理由を明確にしておく必要があり、その決意を貫いて引き止めを突破するための術を詳しく解説します。
本記事では、筆者の実際の体験談を交えながら、引き止めに応じた者の末路や、そもそも引き止めにあわないようにするための方法についても考察します。
会社が退職しようとするあなたを引き止めたい理由
会社が退職希望者を引き止めようとする理由を詳しく解説します。
退職者が出ることは、企業にとって多大なマイナスポイントとなる場合があります。
信頼され仕事がデキるタイプの社員は特に引き止めにあう可能性が高いです。
その理由は主に以下の3つに分けられます。
新入社員の再教育のコストがかなりかかる
新たな人材を採用し、退職希望者と同等のスキルや知識を持つようになるまでには時間と教育のコストが必要です。
そのため、退職希望者が持っている専門的な知識や技術、経験が必要な場合は会社はなんとか引き止めようとするでしょう。
品質管理などの重要ポジションの業務を停止させたくない
退職希望者が担当していた業務が一時的に停止したり、品質が下がったりするとそれが企業の業績に直接的な影響を与えます。
そのため、退職希望者の存在が業務の連続性を保つために必要とされる場合、会社は引き止めようとするでしょう。
社内の士気
退職してしまうと、それは他の社員に対しても影響を与えます。
特に退職希望者が影響力のある立場にいたり、人望がある場合、その退職は大きな衝撃となり、社内の士気を下げる可能性があります。
以上のような理由から、会社はあなたを引き止めようとするのです。
しかし、自分自身が退職を決意した背景には、それを上回る理由や状況があるはずです。
それらを理解し、自分自身の決意を再確認することは、引き止めを突破する上で非常に重要なポイントとなります。
【体験談】実際に体験した引き止め
ケース1
10月の肌寒い頃、筆者は係長に相当する立場で仕事をしていましたが、部下から退職したいと申し出がありました。
筆者自身は部下が自分なりに人生を考えて悩みぬいて出した結論であり、自分のキャリアを真剣に考えられている素晴らしい部下だと思い引き止めはしなかったのですが、筆者よりも上の立場の人たちが必死に引き止めようとしていました。
- 待遇の改善
- 不満を持つ環境の改善
- 続けられる条件の受け入れ考慮
あの手この手で会社に残ってもらおうと必死な上司達。
その部下は困り果ててました。
しかしながら自分の信念を貫き通し辞めました。
ケース2
12月の雪の降る日、筆者自身が会社を辞めようと上司に申し出をした時にある日の仕事終わりに急に上司から「少し話できないか?」と言われ時間を作るもその場で話をされた内容を聞くと結局は何も生まない非生産時間となりました。
- 辞めたら収入が無くなる
- 次はあなたを昇進させようと思ってる
- 今まで積み上げてきたものがなくなってしまう
このような心を揺らす手法で引き止めをしてきました。
筆者は当時、冬の寒さを堪えながら「それでも辞めさせていただこうと思います」と返答しています。
自分ではありませんが、上司から引き止めをされて全てを受け入れている同僚を見たときに、あの手この手で迫ってくる人たちの言うことを鵜呑みにしてしまっては相手の思う壺になってしまうということを学びました。
引き止め突破術その1「待遇の改善をされる」
会社から待遇の改善を提示された場合、それが退職の決意を揺るがす可能性があります。
昇給や昇進、福利厚生の充実など、具体的な改善点がある場合は一見魅力的に見えるかもしれません。
しかし、ここで重要なことは、その待遇改善が本当に退職希望者の求めているものなのか、そしてそれが職場での満足度を大きく向上させるのかどうかを深く考えることです。
待遇の改善が提案された場合、以下の視点で考えてみてください。
本質的な問題の解決
待遇の改善は表面的な問題を緩和するかもしれませんが、それが職場環境や人間関係、働き方などの本質的な問題を解決するものかどうかを考えることが重要です。退職を考えた最大の理由が待遇によるものではない場合、待遇の改善だけではあなたの問題を根本的に解決しないかもしれません。
改善が持続する保証
会社が提示した待遇の改善が一時的なものでなく、長期的に保証されるものであるかどうかも確認することが重要です。待遇改善の約束が一時的な引き止め策であり、その後に待遇が元に戻る可能性もあります。
以上のように、待遇の改善が提示された場合でも、その背後にある真の問題や、改善が長期的に維持されるかどうかを冷静に考えることで、引き止め突破術を行うことができます。
退職の決意をしっかりと持つことが、退職の道を選んだ者を支える最大の力となるでしょう。
引き止め突破術その2「心へ訴えられる」
退職を考えている者に対して、上司や同僚から感情的な訴えがなされることは少なくありません。
その訴えは、「あなたがいないと困る」「あなたの存在が必要だ」といったものから「あなたがいなくなると寂しい」「あなたが去ると残ったメンバーに負担が増える」といった罪悪感を煽るものまで多岐にわたります。
これらの感情的な訴えに対しては以下のような視点で考えてみると良いでしょう。
自己の幸福
退職を考えるに至った背景には、仕事に対するストレスや満足度の低下、キャリアの方向性といった重要な要素があるはずです。ここで大切なことは、他人の感情や期待に流されず、自分自身の幸福と将来を第一に考えることです。
職場の問題の解決
上司や同僚が感情的な訴えを行うことは、それ自体が職場の問題を示しているかもしれません。一人の社員が去ることで業務が滞る、または他の社員に過度な負担がかかるという状況は、組織としての問題を示しています。この問題は退職希望者が退職しないことで解決するものではありません。
感情的な訴えと論理的な議論の分離
感情的な訴えがなされたとき、それに対して論理的な議論を持ち込むことが重要です。退職する理由、そしてそれに対する会社の対策や改善策について、感情を抜きに議論することで、引き止めの圧力を冷静に対処することができます。
「心へ訴えられる」引き止めに対しては、自己の幸福を優先し、職場の問題を冷静に見つめ、論理的な議論を行うことで突破することが可能です。
引き止め突破術その3「強引な引き止めをされる」
退職を申し出した際に会社側から強引な引き止めが行われることがあります。
これは、「あなたが去ると業務が滞る」、「あなたの存在が不可欠だ」といった明確な理由がある場合もありますが、時には理由が明示されずにあくまで引き止めるための一環として行われることもあります。
このような強引な引き止めに対する対応方法は以下の通りです。
自己の意志の確認
まず最初に自分自身の退職の意志をしっかりと確認します。強引な引き止めに直面したとき、自分が何のために退職を選択したのか、その理由を改めて確認しましょう。
事実の確認
会社側が提示する「あなたがいないと困る」理由や事象を具体的に確認します。それが事実であるのか、また、その状況を改善するための対策が会社側から提示されているのかを確認します。
明確なコミュニケーション
自分の意志を明確に伝え、退職の意志が固いことを伝えることが重要です。それが会社側に伝わると、強引な引き止めも少なくなるでしょう。
「強引な引き止めをされる」状況に対しては、自己の意志の確認、事実の確認、明確なコミュニケーションを通じて突破することが可能です。
自分でした退職の決断を尊重してそれに基づいて行動することが重要です。
引き止め突破術その4「退職取りやめを懇願される」
退職を決意した者に対して、上司や同僚から「退職を取りやめてほしい」と直接懇願されることもあります。
ここで心を揺さぶられることがあるかもしれませんが、このような状況でも冷静に自身の決断を守るためのポイントは以下の通りです。
自己の意志の再確認
退職の道を選んだ理由は何か?その理由はまだ変わっていないか?ここで改めて退職の理由を再確認することが重要です。自分の意志を確認することが、他人からの懇願に流されずに固い決断を守るための基盤となります。
感情と論理の分離
退職取りやめの懇願は、多くの場合、感情的な要素が強いです。しかしここで大切なのは、感情から論理を分離することです。なぜ自分自身が退職しなければならないのか、その理由が論理的にも通じるかどうかを確認しましょう。
公平な視点での考慮
退職希望者が退職を取りやめることで、実際に会社やチームにどの程度の影響が出るのかを考えてみてください。あなた一人の存在で業務が大きく左右される場合、それは会社側にシステムの改善が必要であるという指摘にもなります。
「退職取りやめを懇願される」状況に対しては、自身の意志の再確認、感情と論理の分離、公平な視点での考慮を通じて突破することが可能です。自分自身の決断を尊重し、それに基づいて行動することが重要です。
引き止め突破術その5「不安を煽られる」
退職を決意した際に会社側から「新しい職場でうまくいくとは限らない」「今の安定した環境を手放すのはリスクが高い」といった不安を煽られることがあります。これは、退職の意志を揺さぶるための一つの戦略ともいえます。
このような状況に対しては以下のような視点で考えてみると良いでしょう。
自己の判断力と自信
退職を考えるに至った理由と新しい道を選択する決意は、自己の判断力と自信に基づいています。他人が煽る不安に流されず、自分自身の意志と決断を信じましょう。
リスクとチャンス
新しい環境には確かにリスクが伴いますが、それと同時に新しいチャンスもあります。また、現状を維持することもまた、成長の機会を失うというリスクを伴います。リスクとチャンスは常に一緒に存在するものであり、それを理解し、自分自身で判断することが大切です。
情報の確認
会社側が提示する不安要素が事実に基づいているのかを確認しましょう。具体的な情報やデータを求めることで、不安を客観的に分析することが可能となります。
「不安を煽られる」引き止めに対しては、自己の判断力と自信を信じ、リスクとチャンスを理解し、情報を確認することで突破することが可能です。
自分自身の道を選び、それを信じる強さが求められます。
そもそも引き止めにあわないようにするためには?
引き止めに遭わないためには、以下の4つのポイントを心掛けてみてください。
1. 「明確な理由」
退職する理由を具体的に整理し、それを伝えます。理由が明確であれば、自身の意志が固いことが伝わります。
2. 「計画的な行動」
突然の退職表明は避け、事前に計画を立てて行動します。新たな仕事の準備や適切なタイミングを考慮します。
3. 「常に冷静な態度」
感情的にならず、事実に基づいてコミュニケーションを行います。冷静な態度を保つことが大切です。
4. 「引き継ぎの準備」
自分が担当していた業務をスムーズに引き継げるように、事前に準備を行います。これにより、会社側の不安を和らげることができます。
引き止めをされて心が揺らいだ時の思考法
退職を決意したにも関わらず、会社からの引き止めによって心が揺らいでしまった時、どのように思考すれば良いのでしょうか。
その答えは次の通りです。
まず重要なのは、その揺らぐ感情を否定せず、混乱や迷いを自覚することです。
人間の感情は非常に複雑で、特に大きな人生の決断を前にすると、さまざまな感情が交錯します。
次に、自分が退職を考えるに至った原因や理由を思い出し再確認します。
それは職場環境、待遇、キャリアパス、あるいは自身の価値観と現状とのずれなど、さまざまな要素によって引き起こされたものかもしれません。
これらの理由が解消されない限り、引き止められても同じ問題が再発する可能性が非常に高いです。
そして、自分自身の未来について考えます。
新しい職場や環境でのチャンス、それが自分の成長にどう影響するのか、自分が本当に望むものは何なのか。
ここで大切なのは、他人の意見や会社の期待ではなく、自分自身の望みや目標を明確にすることです。
最後に、信頼できる人に相談をすることも有効です。
視点を外から得ることで、自分自身が見落としていた視点を発見できることもあります。
引き止めに応じた者の末路
引き止めに応じて退職を撤回した結果、期待外れの結果になるケースが少なくありません。
退職を考える原因となった問題が解決されず、同じ状況が続くことが多いです。
また、会社からの引き止めは一時的なものであり、待遇改善や環境の変化が長続きしないことも珍しくありません。
さらに、一度退職を表明したことで、職場での信用や人間関係が悪化することもあります。
これらの結果、精神的にも物質的にも大きなストレスとなり、結局再び退職を考えることになる可能性が高いです。
僕は個人的には退職の意思を固めたならその気持ちに従い自分が描いている道を貫き通してほしいです。引き止められて揺らぐ気持ちになるのは仕方ないですが、そういう時こそ自分自身を見つめ直してください。退職をしようとした理由を今一度確認しましょう。